バレエダンサーのトレーニングをサポートしていて、いつも感じることは、“ターンアウトして動くことは決して簡単ではない”ということです。今回はそのお話をしたいと思います。例えば、プリエ。股関節が外旋位で膝とつま先を揃えて屈伸運動をします。この時にいかに股関節を上手に開き、膝とつま先を揃えることができるかで安定した綺麗なプリエにつながります。この両足で行うプリエもターンアウトしているとかなり高度なスキルだと感じます。プリエに限らず、パッセなどの片足立ちで膝とつま先を揃えることに苦戦するプロのダンサーも少なくありません。“足部から股関節”、“股関節から足部”の両方向からのつながりが必要です。片足立ちの動きが多いからと、片足立ちでエラーの多い状態でできないことをたくさん行ってもなかなか改善は進みません。そのような場合はまずはパラレルでその動きができるか確認し、段階的に改善させる方が近道です。“片足&ターンアウト”に固執することなく、“両足&パラレル”で進めた方が良いことの方が多いと感じています。

3歳くらいの幼少期からバレエをしているダンサーは、逆にパラレルでの動きができず、不具合を生じるケースも多々あります。私がサポートしている中高生、プロのダンサー達も例外でなくパラレルでの動きができないと、難易度が高いターンアウトした時にもやはりできないのです。そうなると下肢のねじれのコントロールがきかないのでけがのリスクが高まります。けがの予防とバレエへ繋げるパフォーマンス向上の両方の観点からも、ダンサー一人一人の状態に合わせて、エクササイズの中で“段階を落とす”必要性を日々感じています。

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