私がバレエダンサーのトレーニングを見ていて気になることの一つが“足関節のモビリティを十分に使い切れていないダンサー”です。股関節の可動域が大きく、スラッと足をあげられますが、その反面、しゃがむことができないダンサーも多くいますのでとても不思議な感じがします。そのような場合は足関節のモビリティエクササイズやふくらはぎのストレッチを日常的に行うように指導しています。シンプルなエクササイズですが、継続的に行うことで可動域が改善され、床を押す感覚も改善されます。アキレス腱炎に悩まされるダンサーも多いですが、コツコツとエクササイズを行うことで踵周辺の違和感がなくなったという声も聞きます。以前のブログでお話しした通り、母趾のエクササイズとセットで行うと良いですよね。

“足関節の捻挫を繰り返しいるので、足関節は緩いです”という話をダンサー達からよく聞きます。その場合は“足関節の捻挫で不安定性がでているけれども、足関節の動きが良いかどうかは別の話”と説明し、理解させて、足関節のモビリティの動きを改善させています。実際動きが悪くなり”つまり感”などの訴えをしてくるダンサーも多いです。

足関節のモビリティはしっかりとあるのに、“プリエが浅い“”ルルベが低い“などの悩みもよく聞きます。トレーニング中に観察していると”動きの中で足関節をうまく曲げられない“ことが多い印象です。そのような場合は足関節だけでなく、膝関節や股関節の角度やタイミングを意識させながらトレーニングをさせます。一度この角度やタイミングがわかるとバレエの他の動きにも応用が効かせられると感じています。”プリエが浅い“”ルルベが低い“からと、そればかりに焦点を当てて反復練習をさせていても、なかなか改善しづらいと思います。エクササイズを取り入れながら改善させることで、けがの予防とパフォーマンス向上につながることをぜひ指導者の方々にもご理解いただければと思います。

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