当店では多くのバレエダンサーの方にご来店いただいていますが、“股関節がハマらない”“股関節がつまる”という訴えをよく耳にします。とても抽象的な表現ではありますが、要は“股関節が良い位置になく、スムーズに動かない。そして痛みもあり気になる“ということなのだと思います。もちろん評価はするのですが、そういうことであれば、”良い位置で動きやすくすれば改善できる“というシンプルな手順になってきます。
原因はいくつかありますが、バレエダンサーの場合は踊りで求められている外旋の可動域がきちんと出ていないことも一つです。トップダンサーであるほど、その質を求められますが、トレーナーとしての仕事は可動域を意識した殿部の筋力をつけることが大切です。違和感のある股関節は殿筋の弱さが顕著に出ます。また評価をする際に、股関節の外旋のスムーズさと同時に内旋の動きも加えています。ダンサーは外旋の可動域が大きいため、内旋の可動域が小さくなります。“ターンアウトが大切”とばかりに外旋にだけ意識していてはそのスムーズさも失われます。ターンアウトでの安定した踊りをするためにも内旋の動きをスムーズにしておく必要があることも忘れてはいけません。
これも多いのですが、股関節が外旋しているようで、実は内旋しているケースです。これも本人たちはなかなか気づくことが難しいようです。立位で評価し、股関節の動かし方を観察するとその改善方法が見えてくると思います。