ここ数年、フィギュアスケーターとバレエダンサーの対応が多く、この二つの“違うようで似ていて、似ているようで似てない”ところを私なり考えつつ日々トレーニングを対応しています。どちらも人前でパフォーマンスを披露するという点では同じですが、フィギュアスケーターはスケートブーツを履いて、バレエダンサーはバレエシューズやトウシューズを履いて、ジャンプや回転をします。フィギュアスケーターは氷上での動きになり、バレエダンサーは”トウ“での軸の安定など、それぞれ不安定なところでのパフォーマンスを求められますので、どちらもバランスの安定感はもちろん、下肢の強化も必要となります。
回転やジャンプに関してはフィギュアスケートでは左回りのみ、バレエでは左右両方であります。バレエではレッスンでは両側動かしますが、作品により踊りが一定方向になる場合があり、そのような時期にはやはり身体が偏りやすくなります。また両方の回転はありますが、多くのバレエダンサーは左軸で右回りは得意です。その反面、個人差もありますが、左軸で左回り&右軸で左回りを不得意としているように感じます。またフィギュアスケートの場合も左回りのみとなる影響で明らかな左右差が出てきます。スケートブーツを履いてのジャンプからの着地の負担も考えなければなりません。左右差が大きくなるとケガや不具合が多くなりますので、フィギュアスケーターもバレエダンサーも左右差を整えながら弱くなっている部位を強化していきます。
コアエクササイズは山ほどあり、どれも楽ではありません。その人にあったエクササイズ選択はもちろんですが、”シンプルで継続しやすいもの”を意識しています。例えば、コアの左右差はサイドブリッジなどをやらせると顕著に感じることも多いです。それ以外でも“仰向け”“四つ這い”“両膝立ち”“片膝立つ”などポジションを変えて、プログレッションさせていきます。対角線上の左右差を意識しながら、ポジションだけでなく、チューブやボールを使用して行います。その左右差の具合によっては回数やセット数を変化させたり、ボールなどの持ち手を限定したりします。コアに焦点を当てた内容だけでなく、下肢や上肢のエクササイズでもコアの左右差を整えることができます。メディスンボールやダンベルなど重さも利用し、どちらの方向に対して負荷をかけるかを意識して重さを持たせると格段にエクササイズそのものがやりやすくなることがあります。一つのエクササイズでいくつもの要素を考えて行うと、効果もでてトレーニングそのものが楽しくなると思います。