トレーニングの中で、四つ這いのエクササイズを多く取り入れています。四つ這いの姿勢は簡単そうですが、意外と難しいのです。まず手の位置と足の位置を確認しながら行います。手の位置が遠すぎたり、股関節の位置が近すぎたりしていることが多くありますので、細かいことですが、指導する際には注意深く観察すると良いと思います。
四つ這いのエクササイズの利点は多く、またそのバリエーションもたくさんありますが、“シンプルなことをしっかりできるか”ということを念頭においています。例えば、対角線上に手足を上げた時に“骨盤が回旋しないか”、ということだけでなく、もし回旋するのであればなぜそうなってしまっているかを考えます。”ただ単にコアが弱いだけ”で終わるのでなく、手のつき方、肩甲骨の安定のさせ方、足の上げ方などなど細かいことを観察していると、その人それぞれの強化ポイントが見えてきます。
私が四つ這いのエクササイズを取り入れる理由はコアの強化もありますが、骨盤&股関節、脊柱や肩甲骨周囲の強化などいくつもの課題を工夫次第で改善させることができます。例えば、私が指導する多くのダンサーは外反肘で肘の角度が大きく、過伸展しています。ダンサーからは踊りの中でアームスの動きを改善させたいと相談されることが多く、実際、肘のコントロールだけでなく、手の接地も甘く、肩甲骨の安定もできていません。そのようなケースは四つ這いのエクササイズを多く行います。肩甲骨を安定させるまで実際時間はかかりますが、地道にコツコツやることで安定させることができますので、結果的には早道だと思います。また広いスペースや器具がなくても“一畳のスペース&身一つ”で取り入れやすいということもあります。私とのセッション以外の時間で“如何に継続して強化できるか”ということも大切なので、そういう意味でも四つ這いのエクササイズは魅力的だと思います。